利用環境改善

Box移行プロジェクト参加で学んだ経験や困った点などのまとめ

パソコンでのトラブル 利用環境改善
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Boxは、2005年にアメリカで設立されたファイル共有サービスで、現在、世界では11万社以上、日本国内では1万7千社以上の導入実績があります。

Boxは現在、日経225の73%が利用するクラウドサービスで、大手企業の一部を紹介するとデンソー、TOYOTA、豊田自動織機、AISIN、SQUARE ENIX、HITACHI、日本郵政、資生堂、大正製薬、コニカミノルタ、無印良品、AJINOMOTO...などがある様です。

そんなBoxへファイルサーバから情報を移行するプロジェクトに私は現在参加しています。

そこで今回、備忘録を兼ねてBox移行の経験談をまとめたいと思います。

この記事では、オンプレミスのファイルサーバをクラウド「Box」へ移行した時に困ったことや、私がBoxを使った感想、Boxで出来ることや出来ないこと、よくある質問などをまとめました。

参考になれば幸いです。

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Box移行プロジェクトとは

私が参加しているBox移行プロジェクトの目的は以下のようなことです。

  • 分散している情報の一元管理
  • オンプレミスサーバーのコスト削減
  • メール誤送信による情報漏洩リスク低減

各部署が専用ファイルサーバを持ち、情報を分散管理している状況から、他の部署と情報共有するときにはメールなどで送信をするため、同じファイルの複数バージョンがサーバーを跨って存在している。

また、ファイルサーバーが複数あるということはセキュリティ対策、ライセンス費用、メンテナンス費用、容量の拡張などのコストがかかり、外部とのメールやり取りでは、ファイル添付の誤送信による情報漏洩リスクもある。

これらの目的を達成するために、Boxの導入プロジェクトが進行中で参加しています。

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Box移行で苦労した点

これから苦労することも多いと思いますが、ファイルサーバーからBoxへの移行で苦労した点や、これから発生するだろう課題など、今後は記事を更新していきたいと思います。

フォルダ権限の考え方整理

まず、直近で苦労したことの一つがフォルダ権限です。

Boxの権限の考え方は従来のファイルサーバと異なり「ウォーターフォール」の考え方です。

従来のファイルサーバーでは、サブフォルダで上位の権限を引き継がずに制限をかけることができましたが、Boxでは権限付与(招待)されたフォルダおよびその下のサブフォルダに権限が与えられる考え方となるため、フォルダ構成の考え方が変わります。

整理の方法

フォルダ権限の整理方法は以下の通りです。

  1. 従来ファイルサーバーの権限を出力
  2. 権限を手作業で解析
  3. From-Toリストで整理

まず、ファイルサーバーのすべての権限を出力し、どのような権限が付与されているかを解析します。

そして、Box移行後に引き継ぐ権限と、Box側のフォルダをFrom-Toリストとして整理しました。

最終的な落とし所

解析と整理をしてハッキリした問題点は、これまでのファイルサーバでは下の階層フォルダで「管理職のグループに属している人だけ権限を与える」とか「ある人だけ権限を特別に与える」など、自由に振られていました。

しかし、これらの権限をすべてBoxへ引き継ぐことになると、ファイルサーバーで下の階層で権限を絞り込んでいたフォルダを、Boxでは上位に移動させる必要があります。

しかし、すべてのフォルダそのような移行をすることは手間や使い勝手を考えて現実的ではないため、最低限の権限のみ移行段階では引継ぎ、その他の権限は必要に応じてBox移行後に付与してもらう方針を採用することにしました。

ただ、一時的だったとしても管理職だけしかアクセスできないファイルを一般の人が見えるのは問題があるため、その点のみ上位階層へ切り出して移行することにしました。

その結果、権限的には大きな問題もなく移行が完了しました。

大量データ移行の転送時間

二つ目は、データ移行時です。

事前の予想ではデータ転送速度を計測・確認し、4時間程度で完了する予定だったのに、実際かかった時間は倍以上です。

回線負荷が少ない休日に移行作業をしたにもかかわらず、転送速度が大きく下回り、計画通りに進みませんでした。

Boxは1つの大きなファイルをアップロードするより、多数の小さなファイルをアップロードする方が時間のかかることを知っていましたが、かなりの大誤算です。

最悪の事態を考え、土日で計画して良かったです。

今後、約1年かけて複数のファイルサーバー移行が続きますので、関係者との調整や気になったことなどを備忘録を兼ねて追加したいと思います。

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Box移行後の私の感想

では、Boxを使った私の感想を少し紹介します。

Boxの良い点

  • 容量の制限がない
  • ファイル操作履歴でアクセスした人がわかる
  • 過去のファイル世代に簡単に戻せる
  • Box Driveを使えばWindowsのエクスプローラでアクセスすることが可能

基本的には私はBox Driveは機能制限があるため使いませんが、Excelマクロで絶対パス指定をしたいときなどは便利なので使います。

一番私が満足するポイントは「ファイル操作履歴でアクセスした人がわかる」という点です。

たとえばスケジュールに実績を記入していない人や、修正をお願いした資料など、アクセスすれば履歴として残るので、これまでのファイルサーバーでは把握できなかったことが把握できるようになったことです。

Boxの悪い点

  • ファイルサーバと比べてファイルを開くのが遅い
  • Box(ブラウザ)に慣れるまで操作しづらい

Boxで一番使い勝手が悪いと感じる点は、オンプレミスサーバーだったファイルサーバーと比べ、Boxになったらファイルを開くのに時間がかかる点です。

とはいえ、数秒の差なので大きな問題として感じていませんが、問い合わせは良くあります。

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Box移行でよくあった質問

ここからは私が感じた事というよりBox移行でよく質問され、私が調べたことをまとめます。

今後も出てきたら、備忘録も兼ねて追加したいと思います。

Box上のAccessの動作がおかしい

チョトした情報をMicrosoft Accessのテーブルに保存して利用したり、Excelマクロでデータベースを使いたい時に、なんちゃってデータベースとしてAccessのテーブルを使っている人がいます。

そんな人からの質問で、Microsoft AccessはBox上で使えますか?との質問が多いです。

しかし、私の答えは「No」です。

一度、私も試したのですが、変な動作をします。

Box上のAccessファイルを開いてテーブルに情報を追加したりしてAccessファイルに変更を加えた時、正しく動作している風なときもあれば、コピーファイルが多数作られるときもある。

もちろん、端末によっても動作が異なりました。

上記のことから、動作が安定しないため、使わない方が良いという結論です。

以下にも記載があります。

Box SyncとBox Driveで無視またはブロックされるファイルの種類 – Box Support

Box上のファイルをExcelマクロで相対パス指定できない

Excelマクロで「Box上の外部ファイル参照で相対パス指定ができない」というのも問題です。

私は、基本的には使いませんが、Box Driveを使えば相対パスの取得ができると思ったのですが、Excelマクロで現在のパス(※ThisWorkbook.Path等)を取得してもURLパスが取得され、現在の作業パスから相対的な位置を指定できません。

共同編集に影響がある?のような情報もあり、Microsoft社とBox社で取り組んでいるという情報もありますが、現時点では相対パス参照はできません。

このような使い方をしているケースは多いと思い、外部ファイル参照を含むExcelマクロのファイルや、先ほどのAccessファイルは一旦、ファイルサーバーに残すことになりました。

いずれはファイルサーバーも廃止の方向で進むため、それまでにBox DriveかExce(VBA)が修正されれば問題ないが、修正されなければExcelマクロを別の考えで作り直すことになるかと...。

Box Driveを使いはじめてディスクの容量が少なくなった

最近は、ファイルサーバーやクラウド上にファイルを保存する想定で、クライアントパソコンの容量が昔に比べて少なくなっている。

安価だったHDDに比べ、SSD搭載のパソコンが主流になったことも一つの理由かもしれません。

そんなことから、空き容量を常に気にしている人が多く、よく質問を受けます。

Box Driveは、Boxフォルダ内のファイルを開いたとき、そのファイルをキャッシュフォルダ (※Windows:\C:\Users\<USERNAME\AppData\Local\Box\Box\cache) にダウンロードしてファイルを開くため、パソコンのディスク容量が使われることが理由でした。

Box Drive管理者向け技術情報 – Box Support

私は、基本的に制限のあるBox Driveは使いませんが、使う方は意識した方が良いかもです。

デスクトップにBOXのファイルやフォルダのショートカットを作成したい

ファイルサーバーだった時にデスクトップにショートカットを作成していた人も多いと思います。

私もそうですが、Box移行後も同じように操作するためにショートカットを作成しています。

Box(ブラウザ)の場合

以下のどちらかの方法で作成することが可能です。

  1. アドレスバーのURLを全て選択し、デスクトップにドラッグ&ドロップする
  2. アドレスバーのURLの左にあるバッグのような鍵マーク(サイト情報の表示)をデスクトップにドラッグ&ドロップする

Box(Box Drive)の場合

Box Driveでショートカットを表示するには、通常のWindowsと同じ手順で行えます。

  1. エクスプローラーでBox Driveを探す
  2. 表示したいファイルまたはフォルダを「1.」配下から探す
  3. ファイルまたはフォルダを右クリックして「ショートカットを作成」を選択する

エクスプローラー上のBox Driveの場所などがわからないなどは、以下が参考になるかと思います。

Box Driveの基本的な使用方法 – Box Support

BOXで表示される一覧の並び順をデフォルトで「名前順」にしたい

Boxは、デフォルトだと「更新日」の新しい順に一覧がソート (並び替え) されます。

これは、「名前」などで並び順を変更しても他のフォルダに移動すれば「更新日」順に戻ってしまい、ファイルサーバーの頃に「名前」順で使って来た人からすれば、かなり使い勝手が悪いです。

かなり多い問い合わせです。

解決方法は簡単で、「すべてのファイル」で変更した並び順が他のフォルダの並び順に引き継がれるため、「すべてのファイル」のところで自分の好きな並び順を一度だけ指定すればよいだけです。

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最後に、BOX社への投資

では最後に、ファイルサーバーからBoxへの移行とはあまり関係がありませんが、私のもう一つのブログの紹介も兼ねて、投資のことも書きたいと思います。

今回のプロジェクト参加の成功祈願として、チョットだけ米国株「Box」を買うことにしました。

https://weekend-papa.com/box/

もしよかったら、投資ブログ(※+料理系)も見に来てください。

ではまた。

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