今回は私が非対応PCにWindows11をインストールした体験談をお届けします。
以前の記事でお伝えした通り、我が家のパソコンはWindows11の最小システム要件を1台も満たしていませんでした。

そこで、Windows10最終版のサポート終了発表に伴い、私は2つの選択肢を考えていました。
それは、すべてのパソコンを買い替えるか、あるいはChrome OSに切り替えて使うかです。
しかし、ふと気になる情報を見つけました。
なんと、Microsoftの公式サポートページに「最小システム要件を満たしていないデバイスにWindows11をインストールする」と書かれていたのです。
個人のサイトだったら試すのは不安ですし、違法な手段の可能性もあります。
しかし、Microsoftの公式サポートに書いてあるのであれば、違法ではなく安心して試せるのではないかと思いました。
そこで、Windows 10のサポート終了期限ギリギリに焦ることがないように、最近、妻の投資用に買ったChromebookを使ってブログを書くことが多くなり、これまで持ち運び用として使っていたLenovo IdeaPad Slim 150の使用頻度が低くなったので、思い切ってWindows11へのアップグレードを試みることにしました。

この記事では、Windows11の最小システム要件を満たしていないパソコンに Windows11をインストールするまでの体験談を紹介します。
Windows11をインストールするハードウェア要件を満たしておらず、それが理由で新しいパソコンの買い換えを検討している方、よかったら参考にして下さい。
Windows10最終版のサポート終了
まずは、Windows 10の最終バージョンについてふれておきたいと思います。
Microsoftは「バージョン22H2」がWindows 10の最終バージョンであると発表しました。
Version | 開始日 | 終了日 |
---|---|---|
Version 22H2 | 2022年10月18日 | 2025年10月14日 |
Version 21H2 | 2021年11月16日 | 2023年6月13日 |
Version 20H2 | 2020年10月20日 | 2022年5月10日 |
2025年10月14日まではサポートが続くので、その間はセキュリティ更新プログラムなどが提供されますが、残りの期間は2年半ほどです。
一方、Windows11のバージョンごとの現時点のサポート期限は以下のようになっています。
Version | 開始日 | 終了日 |
---|---|---|
Version 22H2 | 2022年9月20日 | 2024年10月8日 |
Version 21H2 | 2021年10月4日 | 2023年10月10日 |
将来的には、新しいバージョンがリリースされるWindows 11へのアップグレードをすることが、パソコンを延命する条件となるでしょう。
それでは、Windows 11へのアップグレードに必要なハードウェア要件について説明します。
Windows11の最小システム要件
Windows 11へのアップグレードには、以下の7つの最小システム要件が必要です。
プロセッサ(CPU) | 1GHz以上、2コア以上、64Bit |
---|---|
メモリ | 4GB以上 |
ストレージ | 64GB以上 |
TPM | バージョン 2.0 |
システム ファームウェア | UEFI、セキュア ブート対応 |
グラフィックス カード | DirectX 12 以上 (WDDM 2.0 ドライバー) に対応 |
ディスプレイ | 9インチ以上、解像度720p以上 |
私が所有しているパソコンは、以前の記事でお伝えした通り、これらの要件の一部を満たしていませんでした。
詳細は以下のリンクをご覧ください。

しかし、Microsoftのサポートサイトには、ハードウェア要件を満たしていないパソコンでもWindows 11へアップグレードすることができる方法の記載があります。
もちろん、これはMicrosoftは保証していませんので、自己責任で行う必要があります。
そこで、利用頻度が低くなったパソコンなら壊れても困らないので、試してみる価値があるかと考え、チャレンジすることにしました。
体験談)非対応PCへインストール
では、Windows11のハードウェア要件を満たしていない非対応PCに対して、Windows11をインストールした体験談について紹介します。
まずは、Microsoftのサポートページに書いてある内容です。
Windows 11 の最小システム要件を満たしていないデバイスに Windows 11 をインストールすることは推奨されません。不適格なハードウェアに Windows 11 をインストールする場合は、互換性の問題が発生するリスクを想定しておく必要があります。
これらの互換性やその他の問題により、デバイスが正しく機能しない可能性があります。 これらのシステム要件を満たしていないデバイスは、セキュリティ更新プログラムを含む更新プログラムを受け取ることが保証されなくなります。
最小システム要件を満たしていないデバイスに Windows 11 をインストールした場合、以下の免責事項が適用されます。
この PC は、Windows 11 を実行するための最小システム要件を満たしていません。これらの要件は、より信頼性が高く、より高品質のエクスペリエンスを保証するのに役立ちます。 この PC に Windows 11 をインストールすることはお勧めできません。互換性の問題が発生する可能性があります。 Windows 11 のインストールを続行すると、PC はサポートされなくなり、更新プログラムを受け取る資格がなくなります。 互換性の欠如による PC の損傷は、製造元の保証の対象外です。
最小システム要件を満たしていないデバイスに Windows 11 をインストールする – Microsoft サポートより抜粋
つまり、入れてもイイけど動作の保証はしないから何が起きても知らんよ!自己責任でやってね!ってことです。
アップグレードを決めた理由
とりあえず、犠牲になってもらうことになった端末は以下です。

この端末は購入価格が3万円以下であり、現在は使用頻度が少なくなっています。
もし無理にアップグレードを行って、この端末が壊れたとしても困らないと考えました。
さらに、無理にアップグレードしても、将来のバージョンアップにどこまで対応できるのかもわからないという懸念もありました。
ただ、一台の端末でアップグレードが成功すれば、同じ方法で他の端末(Lenovo G560)へのアップグレードも可能だと考えました。
そのため、Lenovo IdeaPad Slim 150をアップグレードの実験に使うことにしました。
Windows11のインストール手順
では、インストールを開始します。
まずは、Windows11のインストールが出来ない理由となっているTPMのチェック、CPUチェックを回避するためにレジストリの変更です。
レジストリの設定変更
レジストリとはWindowsのシステムが利用する設定データのことで、レジストリエディタを利用することで編集することができます。
ただ、設定を間違えるとWindowsが起動しなくなったり、動作が不安定になるため、注意して行ってください。
変更は、以下をレジストリに追加することです。
- レジストリキー: HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetup
- 名前: AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU
- 種類: REG_DWORD
- 値: 1
手順としては以下になります。
- 「スタート」で右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択し「regedit」と入力します
- レジストリエディタが起動したら先ほど書いたレジストリキーの位置まで移動し、右側の一覧の何もないところで右クリックをして「新規作成」→「DWORD(32ビット)値」を選択します
- 名前を「AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」に変更し、右クリックして「修正」を選び、値のデータのところで「1」を入れてOKをクリックします
- 最後に「ファイル」メニューから「レジストリーエディターの終了」を選び、レジストリエディタを閉じます
レジストリの変更が完了したら、続いてインストールメディアの準備をします。
インストールメディアの作成
Windows10からWindows11にアップグレードするには、インストールメディアが必要になりますので、Windows11のウェブサイト「Windows 11 をダウンロードする」を開き、「Windows11のインストールメディアを作成する」のところで「今すぐダウンロード」をクリックします。
インストールメディアの作成ではUSBかDVDが必要になるため、私は安いUSBメモリを購入し、ダウンロードした「MICROSOFT MEDIA CREATION TOOL」を実行してUSBメモリへインストールメディアを作成しました。
USBに作成するときは8GBの容量のある空のUSBが必要となり、作成時にフラッシュドライブはすべて削除されるようなので、必要な情報が入っているのであれば事前にバックアップしておきましょう。
Windows11のインストール
では、準備が出来たので、USBメモリに作成したインストールメディアにある「setup.exe」をダブルクリックしてWindows11のインストールを開始です。
Windows11のインストールは画面の指示に従って進めるだけです。
途中に表示された画面をいくつかを抜粋し、参考までに貼り付けておきます。
上記の画面で「次へ」を押すとインストールを開始され、更新プログラムのダウンロード、PCのチェックが行われます。
以下の画面が表示されれば、ハードウェア要件のチェックが突破できたのだと思います。
「同意する」を選択して、インストールをすすめます。
少し待つと、以下の画面が表示されます。
最小システム要件を満たしていないためだと思いますが、上記の確認画面が表示されたので「承諾する」を選択します。
少し待つと、以下の画面が表示されます。
「Windows 11 Home をインストール」と「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選ばれていることを確認し「インストール」ボタンでインストールを開始。
待つこと約2時間、インストールが完了してログイン出来ました。
とりあえず、Windows11にアップグレード後 10日間は問題が発生しても以下の手順でWindows10に戻すことが可能ですが、このまま使ってみたいと思います。
[スタート] > [設定] > [システム] > [回復] >[復元]を選択
非対応PCのWindows11(まとめ)
今回は、利用頻度の低いパソコンを使用してWindows 11へのアップグレードを試しました。
Windows 11のハードウェア要件を満たさない非対応PCに対して、レジストリの設定変更を行い、慎重に作業を進め、なんとか完了することができました。
ただ、最終的なパソコンの動作については確認中です。
また、将来のバージョンアップへの対応も不安が残ります。
そこで、今後の予定として、Lenovo IdeaPad Slim 150を実験台にし、Chrome OSの「Chrome OS Flex」も試しに導入してみたいと考えています。
追記:2023.06.12
USB起動で導入してみました↓

あと、もし、無理やりの方法でWindows11にせず、なるべく安くWindows11のパソコンを購入したいと考えている方がいれば、Lenovoのパソコンが安くておすすめです。
安いLenovoをさらに安く買う方法の記事を書いていますので、よかったら参考に!

では、また。
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